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志絆会とは

次回の炊き出しは4月28日(日)になります

現在ボランティア受入れは行っておりません。

志絆会とは

炊き出し活動について

炊き出し志絆会は、大阪の釜ヶ崎で路上生活をされているホームレス状態の方や失業をされている方に対し、カレーライスの炊き出しと寄付物品の配布を行っているNPO法人です。
1997年以降、スタッフはボランティアで活動を行い、みなさまからの寄付で継続をしてきました。

毎月最終日曜日の朝、東大阪の調理場はにぎやかな会話の中で、初参加の方も常連の方も混ざり合い、みんなでカレーの調理が始まります。
ほっこり温まるオリジナルレシピのカレーです。
釜ヶ崎の配布現場では800食のカレーライスの配布が始まり、その横で音楽演奏と肩たたきが更に現場に温かい雰囲気を提供しています。

20年の歴史

1996年、震災翌年に英国人アイリーン・ジェンキンスさんが
「神戸震災の仮設住宅の心のケアをしているのですが寄付金をお願いできませんか?」
と現志絆会の発起人が集まっていた立食パーティー中に突然入って来られ、その場の出席者に寄付を募ったところ7万円の寄付が集まりお渡ししました。

その後アイリーンさんは一旦帰国されましたが、3ヶ月後にまた訪ねて来られました。
「神戸の活動が一段落したので西成で炊き出しをしたいので手伝ってくれませんか?」
その一言で発起人達は彼女の活動に協力することになります。

当時彼女の配る手作り弁当は英国式で、おっちゃん達は
「何食べてるのかわからへん!」
200食しか出来ない現状にも
「そんなちょっとの量で大きな顔するな!」
のきつい一言。

アイリーンさんはその後1年で帰国してしまいましたが、折角はじまった活動なのでと、残された発起人たちが提供する食事をカレーライスにして、いままでずっと活動を続けてきています。
あれから20年、月一度の活動。
休んだのは台風が直撃した時のみです。
整列を変えたことで暴動になり配れなくなった時も別の場所で数カ月配り活動は休みませんでした。
建物外周に並ぶ列。喧嘩、酒飲み、仕切り屋。
最初は配布場所に入れないような雰囲気も作られました。

そんな厳しい状況も乗り越え20年間継続してきた発起人が世代交代で減っていく中、2015年9月NPO法人を設立。次の世代のスタッフへバトンタッチが行われました。
カレーライスの炊き出しは月末の日曜日必ず行われる活動として認知も広がり、音楽演奏や肩たたきも加わり現場でおっちゃん達との交流もできる活動として今に至ります。

炊き出し志絆会の歴史年表

1996年
アイリーン・ジェンキンスさんと震災翌年に路上生活者へ向けた弁当配り開始
現場の清掃開始
1997年11月
任意団体「志絆会(しはんかい)」設立
カレーライス炊き出しの始まり
1998年
暴動騒動により天王寺公園や長居公園で2カ月ほど配布
2007年
炊き出し活動10周年
2008年
調理場所の変更
東住吉区埜村自動車様から東大阪市黒野精版(株)様へ
2011年7月
宮城県南三陸町志津川高校避難所にてカレーライス200食炊き出し実施
2015年9月
「NPO法人炊き出し志絆会」設立
法人設立決起集会開催

釜ヶ崎の歴史

大阪市西成区の東北端、およそ0.62平方キロメートルに及ぶ一帯は、古くは「釜ヶ崎」、行政やメディアからは「あいりん地区」と呼ばれる場所がある。
日雇労働者の街として栄えたこの場所は、仕事の減少とともにホームレスの人の街、生活保護受給者の街と姿を変えてきた。

特に、炊き出し志絆会が活動を行う「あいりん労働福祉センター」は、病院や食堂、技能講習等の様々な機能を持つ、釜ヶ崎の中心的な施設だ。
午前5時より日雇労働者と仕事を斡旋する者が集まり、土工や解体業などの仕事の求人活動が行われている。
それゆえ、日雇労働者は釜ヶ崎に多く集まっているのだ。

そんな日雇労働者の街として、釜ヶ崎は「ドヤ街」とも呼ばれる。
日本各地にこうした日雇労働者の街があるのだが、釜ヶ崎は、東京の山谷、横浜の寿町と並んで日本三大ドヤ街と言われる。
ドヤ街に特徴的なのは、簡易宿泊所(通称・ドヤ)、つまり、安いホテルが立ち並んでいることだ。
というのも、日雇労働で働く場所は、その日の朝に決まるので、遠方になった場合、二重の家賃を払うことを防止すべく、日払いのドヤに泊まるのだ。
また、ドヤ暮らしとなるので、コインロッカーやコインランドリー、銭湯、弁当屋が多いこともドヤ街の特徴だ。

しかし、日雇労働は過酷な土木工事で50歳を過ぎると徐々に雇ってはもらえなくなる。
また、危険な作業が多いので怪我をして働けなくなる人も多い。
ただ、日雇労働がなくなることは、貯金もなかなかできない環境だった故にホームレス状態に直結している。
しかし、一度ホームレスになってしまうと、そこからの脱出は容易ではない。
そんなホームレスの人にとっては、一杯の温かいカレーが心温まる瞬間となっている。

専門家からの視点

私たちHomedoorは、路上生活者に路上脱出の機会を提供しようと、相談窓口の開設、路上からでも働ける仕事や住まいづくりの提供を2011年から行っています。
活動の中で見えてきたのは、路上生活歴が浅い人の方が圧倒的に、路上脱出できる確率が高いということです。

というのも、路上生活歴が長くなればなるにつれ、自力で野宿生活を終えることが困難であると感じるようになります。
日本では住居を借りようにも仕事を探そうにも身分証や携帯電話が必要です。
住まいを失った人が「もう一度やりなおそう」と思っても、自力で住居や仕事を見つけることは極めて難しいです。
路上脱出がいかに容易ではないかその経験が積み重なっていくと、人との関わりもなくなっていき、「やりなおすことなんて、もうできない」と諦めてしまう人が非常に多いです。
世間の冷たさを感じ、諦めてしまう方が多いからです。

そういった中での「炊き出し」という活動は、単に一杯のカレーでおなかがいっぱいになるというものではなく、その一杯のカレーを受け取るおっちゃんたち1人ひとりにとって「もう一度頑張ろう」と思える元気の源であったり、人の温かさを感じられる場所であったりするのです。

また、ホームレス問題というのは、自己責任論が根強く、なかなか支援が得られにくいのも現実です。
その中で、炊き出し志絆会さんは、開かれた運営を行っておられるので、多くのボランティアさんが参加されているのも印象的です。
ホームレスの人を単に応援するだけの取り組みではなく、ホームレス問題への偏見も解いていく活動だと感じています。

炊き出し志絆会さんのカレーは、うちで働いているおっちゃんたちにも大人気です。
野菜やお肉が盛り沢山だったり、隠し味にすりりんごが入っていたりと、本格的だと毎月楽しみにしている方も多いです。
これからも、炊き出し志絆会さんの活動が、おっちゃんたちの元気の源になるよう祈っております。

川口 加奈さん
川口 加奈さん
認定NPO法人Homedoor 理事長
プロフィール

14歳でホームレス問題に出会い、ホームレス襲撃事件の根絶をめざし、炊出しや100人ワークショップなどの活動を開始。19歳でNPO法人Homedoorを設立し、シェアサイクルHUBchari事業等でホームレスの人や生活保護受給者累計160名以上に就労支援を提供する。
世界経済フォーラム(通称・ダボス会議)のGlobal Shapersや、ウーマン・オブ・ザ・イヤー2013若手リーダー部門にも選出される。2017年にHomedoorは大阪市から認定NPO法人として認定される。
1991年大阪府高石市生まれ。

Homedoor ホームレス状態を生み出さないニホンに。Homedoor公式ホームページはコチラ